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必要なの?その根拠は?更生保護施設の就業規則

あなたが勤務する更生保護施設には就業規則がありますか?

この問いに対して、答えが「ある」だからと言ってそれでOKというわけではありませんし、「ない」だからと言ってダメというわけでもなく、就業規則に関する問題は意外に奥深いです。

この記事では、更生保護施設に就業規則は必要なのか、その根拠は何かと言った視点で、関係法令等に触れながら説明していきます。

更生保護施設に就業規則は必要か?その根拠は?

結論から述べると、答えは必要な場合もあれば必要でない場合もあるということになります。

必要な場合は、常時10人以上の職員が勤務している施設です。

ちなみに、「常時」に該当するのは、期間の定めなく雇用されている者等であるとする見解が労働基準監督署から示されているので、非常勤職員という名称で雇用され、勤務日数が週2〜3日だけだったとしても、契約期間が1年未満の短期のスポット契約でなければ常時雇用されている者としてカウントすべきということになります。

また、「10人以上」というのは原則として法人単位ではなく事業場(施設)単位でカウントすることとなります。

逆に、常時10人を下回る職員しかいなければ就業規則の作成及び届出の義務はありません。

ほとんどの更生保護施設は、非常勤職員を含めても職員数は10人に満たないでしょうから就業規則を作成する法的義務を負っていないことになるかと思います。

根拠法令は次の労働基準法の規定です。

第八十九条 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

職員数10人未満の施設が就業規則を作成しないことは得策なのか?

それではなぜ、法的義務はないにもかかわらず就業規則を作成している施設が多いのでしょうか。

いくつか要因はあると思いますが、一つには更生保護法人は国の認可を受けて事業を営んでいることに起因しているのだと私は考えます。

認可する側の国からすれば、就業規則すら定められていないような施設の存在を認め続けることは管理・監督の不行き届きであると言われかねないがゆえに、就業規則の作成を指導するという流れは自然でしょう。

国からの指導は、更生保護施設にとっては絶対とまでは言えませんが重いことは言うまでもありません。

事業の根幹をなす委託事業の委託元であることはもちろん、様々な許認可の主体でもありますし、改築や修繕等の施設整備事業の際に支援してくれるのもすべて国ですから。

また、施設長等、施設を管理する立場にある者からしても、規則の制定改廃の手間があるとはいえ職場内のルールを明確化しておくことで職員の監督・指導が行いやすいというメリットがあるでしょうし、職員側からしても守るべきルールの明確化という点ではメリットがあるでしょう。

したがって、職員数10人未満の施設であっても就業規則は作成する方が得策と言えます。

就業規則に定めなければならない事項

かくして、更生保護施設の大半は就業規則を作成しているものと思われますが、就業規則は単に作成していればOKというものではなく、法令により必ず記載しなければならない内容があります。

それは次の3項目です。

実際のところ、私の勤務していた施設では、せっかく就業規則を作成していたのに、上記①の項目のうち、休憩時間に関する記載が以前はなされていませんでした。

このようなことがないように、厚生労働省がホームページ上に掲載している「モデル就業規則」を基にして、各施設における就業規則の制定改廃を行うことが無難でしょう。

↑厚生労働省のホームページです。

また、本来の就業規則(常時10人以上の職員が勤務している場合)は、周知義務もありますので、職員数10人未満の場合であっても制定改廃の際には職員に周知し、規則を職員が閲覧できる状態にしておくことが望ましいでしょう。

就業規則を上回る対応は問題ない?

就業規則は、一度定めると何が何でもそのとおりにしなければならないというような硬直的なものではありません

就業規則を定めた場合、その効果は、就業規則で定める基準を下回る労働条件を定めた労働契約は、その部分について無効となります(労働契約法第12条)。

この場合、無効となった部分については就業規則に定められた労働条件が適用されます。つまり就業規則には、施設の職員に関して、労働条件の最低基準を定める効力があるということですから、裏を返せば就業規則に定められたとおりの対応でなくとも、就業規則を上回るものであれば何ら問題ないということです。

施設では暗黙の了解があって就業規則に定められていないけど大丈夫?

各施設においては、就業規則などの成文の規範に基づかない取扱いが長い間反復・継続して行われ、それが暗黙の了解のように事実上のルールとして機能していて、それが規則に定められていなくて大丈夫なのか?と不安に思う方もいるかもしれません。

それについては心配無用で、こうした事実上のルールについても法的な意味をもつとされ、これを労使慣行と言います

したがって、就業規則に書かれていないことはその効果は認められないといったことはないですし、就業規則に何でもかんでも記載しようとする必要ありません

注意が必要!不利益変更は原則不可!

就業規則及び労働条件は、原則として職員に不利益が生じる内容に変更することはできません

しかし、使用者側が変更後の就業規則を職員に周知させることに加え、就業規則の変更が合理的なものであれば、労働者の労働条件は、個々の同意なく就業規則及び労働条件を変更することもできるとされていますが、当該規則の変更が合理的かどうかは簡単に判断できるものではありませんし、職員のモチベーションの観点からも就業規則及び労働条件は不利益変更をしないことが賢明といえます。

以上があなたの施設の参考になれば幸いです。

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